新型アルファードやヴェルファイアを購入する際、「寒冷地仕様」というメーカーオプションを目にしたけれど、
ディーラーでは特に進められることもなく、カタログを見ても何が追加されるのかよく分からない…
そんなモヤモヤを感じていませんか?
寒冷地に住んでいる方やスキーなどで雪道を走る予定のある方にとって、寒冷地仕様を付けるべきかどうかは非常に重要な判断ポイントです。

しかし、カタログでは情報が少ないため、結局「よく分からないから付けなかった」となりがちです。
この記事を読むことで、自分にとって寒冷地仕様が本当に必要かどううかが判断できるようになり、後悔のないクルマ選びにつながります!
筆者自身、以前30系後期ヴェルファイアを購入した際に寒冷地仕様を選ばなかった経験があり、
冬場の霜取りやミラーの凍結、後席の冷えなどに不便さを感じた実体験があるので、
本記事では「何が必要で、どんな装備が役立つのか」をユーザー目線でカタログには載っていない寒冷地仕様のすべてを具体的に解説していきます。
私は2025年3月に新型ヴェルファイア(Z Premier Hybrid)を購入しました。





注文枠を獲得するまでの経緯をまとめていますので興味のある方は合わせてご覧下さい!
寒冷地仕様とは?新型アルファード・ヴェルファイアに搭載される装備一覧
寒冷地仕様は、冬の厳しい気候条件で車のパフォーマンスを最大限に引き出すために必要な装備が追加されるオプションパッケージです。
通常仕様でも走行は可能ですが、寒冷地では霜や雪による不便・不具合が起きやすいため、こうした地域では寒冷地仕様の有無が快適性・安全性に大きく影響します。
カタログにはこう記載されています。
寒冷地仕様(ウインドシールドデアイサー+エンブレムヒーターなど)
これだけでは寒冷地仕様にどれだけの機能があるか分かりませんよね。



この章では、寒冷地仕様の基本的な役割とオプションの内容を詳しく解説します。
寒冷地仕様の基本的な役割
寒冷地仕様の装備の目的は、低温環境でも車が快適に動作し、運転者と乗客の安全を守ることにあります。
具体的にはウインドシールドデアイサー(凍結防止機能)、フロントヒーターなどが搭載され、これらは特に冬の道路環境において車のパフォーマンスを支えます。
寒冷地仕様を選択すると、車内や外部の機能が冬の厳しい状況に適応するため、走行性能や視界確保、車両の運転の安全性が向上します。これらは、雪道や氷結路面など、冬に特有の道路条件下でも安心して運転できるための必須機能です。
寒冷地仕様の価格
グレード名 | 価格(税込み) |
エグゼクティブラウンジ | 20,900円(10,900円) |
Z Premier | 28,600円(26,000円) |
この価格にも関わらず、寒冷地仕様によって追加される装備・機能は9つとかなり多くの追加があります。



次から装備・機能の具体的な内容について説明します。
新型アルファード・ヴェルファイアの寒冷地仕様に含まれる主な9つの装備
寒冷地仕様に含まれる核装備をわかりやすく紹介します。それぞれがどのような効果を発揮するのか、実際んお仕様シーンをイメージしながらご覧下さい。
装備 | 寒冷地仕様 | 標準装備 |
冷却水(LLC) | LLC 50% | LLC 30% |
ウインドシールドデアイサー | あり(タイマー付き) | なし |
ウインドシールドワイパー | 寒冷地用(モーター) | 標準 |
カウルトップルーバー | 寒冷地用 | 標準 |
フロントヒーター | PTCヒーター付 | PTCヒーターなし |
エアスパッツ | あり(フロントのみ) | あり(フロント+リア) |
ロッカー&ドア下モールディング | 寒冷地用 | 標準 |
リアフォグランプ(両側) | あり | なし |
エンブレムヒーター | あり | なし |



カタログを見ただけでは分からない内容も含まれています!
冬季の快適なドライブに便利なこの9つ装備について簡単明瞭に解説していきます。
冷却水(LLC)
寒冷地仕様では、エンジン内を循環している冷却水の温度が凍らない濃度になっており、エンジンの凍結やオーバーヒートを防ぎます。
通常の濃度である30%では、マイナス15℃程度で凍結してしまいます。
ウインドシールドデアイサー
フロントワイパーの待機位置に熱戦が配置されており、ワイパーゴムの凍結を防止します。



朝、ワイパーが凍っていることに気付いて慌ててお湯を準備した経験ありませんか?
あの作業が無くなります!
ウインドシールドワイパー
寒冷地向けに設計されたワイパーで、ワイパーモーターが協力になります。



多く水を含んだ雪(ボタ雪)のような重い雪でも強いワイパーで掃うことができます!
カウルトップルーバー
ワイパー周辺への雪や氷の侵入を抑えるパーツです。
カウルトップルーバーの真ん中寄りが格子状になっていますが、寒冷地仕様ではその内側にメッシュのネット(金網)が付き、雪入りを防止します。



外観上は変わりませんが、格子の中を覗き込めば確認できます!
フロントヒーター(PTCヒーター)
寒い季節にエンジン始動直後からエンジンが温まるまでの間に
車内が暖かくなるのがおそい。
と感じたことありませんか?
寒冷地仕様では通常のヒーターに加えて、暖房を補う装置(電気式補助ヒーター)が付きます!
エアスパッツ(フロントのみ)
タイヤ付近の泥はねや雪の巻き上げを防ぐ空力パーツ。
結果として、ボディ下部への汚れやダメージの抑制効果も期待できます。
跳ね上げた水が付着して凍ったり、かき上げた雪で詰まってスライドドアの開閉に支障をきたす恐れがあるので、寒冷地仕様を選択するとリアのエアスパッツは装着されません。
ロッカー&ドア下モールディング
冬場にドアを開けようとするとドアが凍っていることがあります。無理やり開けようとするとドアモールの破損につながるので注意して下さい。
冬場ではドアの開閉部に水や雪が入り込み、ドアが開けずらくなっていることがあります。
飛び石や泥はねなどからボディ下部を保護する効果も期待できると感じています。特に融雪剤が散布される地域では、塗装の傷つきを防ぐことでサビの発生リスクを軽減する効果が期待できます。
リアフォグランプ(両側)
吹雪や霧など視界が悪いとき、前方の車が確認しずらくなります。
そんな時、後続車に自車の存在を後続車に知らせるために赤い色で明るく光るランプが寒冷地仕様では追加されます。
エンブレムヒーター
寒冷地仕様では、エンブレム裏にあるミリ波レーダーの性能を維持するためのヒーターが取り付きます。
このヒータによりエンブレムに付着した雪を取り除くことができます。
寒冷地仕様は必要?判断すべき3つのチェックポイント
寒冷地仕様は「雪国に住んでいる人だけが必要なもの」と思われがちですが、実はそうとも限りません。
都市部でも積雪や気温が下がる日はあります。
また年に数回のレジャーで雪道を走る機会がある方も少なくないでしょう。



私も関東に住んでいますが、冬にはレジャーで雪山に行く機会が多いです!
この章では、「自分に寒冷地仕様が本当に必要なのか?」を判断するための3つのチェックポイントを紹介します。
住んでいる地域の気候(気温・降雪量)
北海道や東北地方など、冬の気温が氷点下になりやすく、積雪量の多い地域に住んでいる方にとって、寒冷地仕様は必須と言えます。
エンジンやワイパーの凍結を防ぎ、冬場のトラブルやヒヤリとする瞬間を減らしてくれます。
使い方・用途(通勤・家族の送迎・レジャー・山間部走行など)
普段は比較的温暖な地域に住んでいても、スキー・スノーボードといったウィンターレジャーや年末年始の帰省で雪道を運転する予定が必ずある方には、寒冷地仕様が安心を提供してくれます。



突然の積雪や凍結に対して備えがあることで、ストレスなく移動ができます!
車内の快適性と安全性をどこまで重視するか
車内がすばやく暖まることや、視界がしっかり確保できること、さらには先進安全機能が正常に作動することは、寒い冬における運転の質を大きく左右します。
子どもやご両親と一緒に乗る方は特に、安全・快適な移動手段として寒冷地仕様のメリットを感じられるはずです。
寒冷地仕様を選ばなかった筆者の体験談
私は30後期ヴェルファイアを購入したときは次の理由から寒冷地仕様を付けませんでした。
- 住まいが降雪地域ではなかった
- そもそも寒冷地仕様の内容を理解していなかった



しかし、当時の判断を後悔する体験談があります。
寒冷地仕様の選択に迷った時の参考になればと思い、失敗談をさらします。
30後期ヴェルファイアを選んだ当時の状況
30後期ヴェルファイアを購入するきっかけは、次男の誕生と「いつかはヴェルファイアに乗りたい」という私の野望がきっかけでした。
当時、雪が降る地域へ行くのは実家へ帰省するときぐらい。
もちろん子供も小さいのでウインタースポーツなんてするとは考えていませんでした。
ところが、私が仕事で石川県へ単身赴任、さらには赴任先で子供がスノーボードの興味を持つ。
ということで、冬になると雪道を運転する機会がいっきに増えました。
冬の使用で感じた2つの不便と1つの不安
標準仕様のヴェルファイアで雪道を経験して、不便と感じたことが2つと不安に感じたことが1つありました。
不便①|ミリ波レーダーが機能停止した
不便と感じたことの1つ目は突然ミリ波レーダーの機能が停止したことです。
ボタ雪が降る高速道路。速度制限は50キロ。
走行中に突然!
「ミリ波レーダーが使用できません。エンブレム回りの汚れを除去してください」というようなメッセージとともに安全機能が使えなくなりました。
エンブレムに付着した雪が原因でミリ波レーダーが使えなくなり警告メッセージが出てしまいました。
- プリクラッシュセーフティー
- レーントレーシングアシスト
- レーダークルーズコントロール



高速道路を走行しているとエンブレムを清掃するにはパーキングエリアに入る必要があってかなり面倒でした。雪を除去しても、走り出すとまた警告が出てかなり不便な思いをしました。
不便②|車内がなかなか暖まらない
冬を都心部で過ごしているときはほとんど気になりませんでしたが、北陸へ赴任して初めての冬を過ごした時はエンジン始動後、なかなか車内が暖まらないことに驚きました。
車内の暖房はエンジンが暖まってからようやく効き始めるので、外気温が低い冬場はエンジン始動時の温度も低いため、暖房が効き始めるまでに時間がかかります。
長距離を運転するときは暖まるまで我慢すればいいのですが、短い距離で短時間しか乗らない場合が問題。
「目的地到着までに車内が暖まらなかった」なんてことにもなります。
不安①|大雪・ホワイトアウトの際は前方の車両が確認しにくい
夜の関越自動車道を走っているときに大雪が降り、前方の視界が非常に悪くなり、前方車両のテールランプが確認できなくなるという不安な思いをした経験があります。
この現象は雪道に限らず、濃霧のときにも同様に前方車両の視認性が悪くなります。
天気は天気予報である程度は予測することができますが、山間部を通る高速道路などでは急な悪天候に遭遇する可能性もあります。
悪天候時の事故は二次災害のリスクも非常に高いので、確かな安全運転技術に加えて、天候に負けない便利な安全機能も重要と感じました。
新型ヴェルファイアで寒冷地仕様を選んだ理由
私が新型ヴェルファイアを購入する際にメーカーオプションである寒冷地仕様を選んだ理由は
- 雪山へ行くにあたってエンブレムヒーターは必需品
- リアフォグランプは利便性が高い
- 車内がすぐに暖まって欲しい理由があった
この3つです。



寒冷地仕様を選択するかどうか迷っている方は参考にしてみて下さい。
寒冷地仕様は付けるべき?おすすめするケースとしないケース
寒冷地仕様と聞くと、「北海道や東北に住んでいる人向けでしょ?」と思われるかもしれません。でも実は、居住地に関係なく「寒冷地仕様を付けておけばよかった...」と感じる場面は少なくありません。
この章では、どんな人が寒冷地仕様を付けるべきなのか、また逆に付けなくても問題ないケースはどんな人か。



その判断基準を具体的にご紹介します!
あなた自身のカーライフに照らし合わせながら、ぜひ参考にしてみてください。
寒冷地仕様をおすすめするケース5選
以下のような条件に当てはまる方には、寒冷地仕様の装備は安心・快適なドライブに大きく貢献します。
- 冬季にスキーやスノーボード、帰省などで雪道を走る機会がある
- 朝晩の冷え込みが激しいエリアに住んでいる
- 高速道路や山間部など、過酷な環境を走ることがある
- 小さなお子様や高齢者など、快適性を重視したい同乗者がいる
- 車の先進安全機能を最大限活かしたい(ミリ波レーダーなど)
寒冷地に住んでいなくても、「1年のうち数日だけ」でも上記のような状況にあるなら、装備しておく価値は十分にあります。
不要と判断できるケースの例
一方で、以下のような方は寒冷地仕様を省略しても不便を感じる機会は少ないかもしれません。
- 年間を通じてほとんど雪が降らない地域に住んでいる
- 雪道・凍結路面を走ることがまずない
- 通勤や買い物など、ごく短距離の街乗りが中心
- 屋根付きガレージや地下駐車場を使用している
とはいえ、近年は都市部でも突然の積雪や寒波が発生しています。「万が一の備え」として寒冷地仕様を選ぶ人が増えているのも事実です。
あとから後悔しないための判断のコツ
寒冷地仕様は、車の性能を一段引き上げてくれる”保険”のような存在。日々の仕様では違いが分からなくても、いざというときに頼れる装備です。
数万円の追加で、寒さや雪によるトラブルを回避できるなら、コストパフォーマンスは決して悪くありません。
まとめ|寒冷地仕様の必要性は”使い方”と”地域”で決まる
新型アルファード・ヴェルファイアの寒冷地仕様は、単なる「雪国向けのオプション」ではありません。
エンジンやワイパーの凍結防止、車内の暖房効率、安全機能の確保など見えにくい部分で冬のストレスを大きく軽減してくれる、実用性の高い装備です。
たとえ日常的に雪が降らない地域に住んでいても、年に数回の積雪や寒冷地への移動がある方にとっては、寒冷地仕様が「安心と快適」の支えになってくれる場面がきっと訪れます。
むしろいざというときに「付けておいて良かった」と実感する可能性の方が高いはずです。
購入時の判断は迷いがちですが、自分や家族のライフスタイルを振り返りながら、ぜひ納得のいく選択をして下さい。
寒冷地仕様は、冬のカーライフをもっと快適に、もっと安全にしてくれる”心強い味方”です。
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